なぜ女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついてお心を悩ます結果を作ったのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
ああ、なんという骨の折れる職業をおれは選んでしまったんだろう。
フランツ・カフカ変身」(0)
人と接触をせずに奥に引き入ってばかりいることも、気高いようであまり感じのいいものではない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(26 常夏)」(1914)
絶好のチャンスですぜ。猟奇的ですぜ。檀那。
永井荷風濹東綺譚」(1937)
真の懐疑家はソフィストではなくてソクラテスであった。
三木清人生論ノート」(1941)
梅も桜も桃も一時に咲いている、美しい岡の上をあちこちと立って歩いて、こんな愉快な事はないと、人に話しあった夢を見た。
正岡子規病床六尺」(1902)
私の手は空っぽである。何も私は持っていない。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
というのは、彼はいきなりゲラゲラと笑い出したのです。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
結局のところ人間の享楽の器は、実に狭いものではないか。実に早く涙であふれるではないか。
岡倉天心茶の本」(1906)
俺に父親てておやがあるとしたら、それは俺の敵かたきじゃ。
菊池寛父帰る」(1917)
妾は盲人なれども鼻は確たしかなり、々そうそうに去って含嗽をせよ
谷崎潤一郎春琴抄」(1933)