なぜ女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついてお心を悩ます結果を作ったのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
私共と彼等とは、生きるために作られた人間であるということに何の差があろう?
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
実に言葉にも尽くされないほどの辛労と艱難とを忍び、共に共に武家の奉公を耐え続けた
島崎藤村破戒」(1906)
私は愛することはなかなかできないけれど私は愛せねばならない。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
娘の時代だったならと取り返しのつかない運命が悲しかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(03 空蝉)」(1914)
幸福を語ることがすでに何か不道徳なことであるかのように感じられるほど今の世の中は不幸に満ちているのではあるまいか。
三木清人生論ノート」(1941)
「いき」の研究は民族的存在の解釈学としてのみ成立し得るのである。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?
芥川龍之介歯車」(1927)
この古くて疲れ果てた街道にも生気の注ぎ入れられる日の来ることを想像した
島崎藤村破戒」(1906)
このような話を聞き、このような場所を見てきた後、これを人に語りたがらない者が果たしているだろうか。
柳田国男遠野物語」(1910)
しかし、下人は雨がやんでも、特別どうしようという当てはない。
芥川龍之介羅生門」(1915)
人生には理屈をもって説き得られぬことがたくさんある。
新渡戸稲造自警録」(1916)
梅も桜も桃も一時に咲いている、美しい岡の上をあちこちと立って歩いて、こんな愉快な事はないと、人に話しあった夢を見た。
正岡子規病床六尺」(1902)