父宮の喪により斎院を辞した朝顔の女王が、桃園の宮へと移り住んだ。源氏は昔から思いを寄せる彼女に手紙を送り続けていたが、女王は冷淡な態度を崩さない。女五の宮への見舞いを口実に訪問した源氏は、女王との面会を求めるが、直接会うことは叶わず女房を通じての遣り取りに終わる。それでも諦めきれない源氏は情熱的な恋文を送り続け、女王も簡素ながら返歌を寄越すようになる。
しかし女王は終始冷静で、若い頃でさえ友情以上の感情を抱かなかった源氏に対し、中年となった今はなおさら恋愛感情を示そうとしない。一方、源氏の執心ぶりは世間の噂となり、紫の上の耳にも届く。夫の心が他の女性に向かっていることを察した紫の上は深く嘆き、源氏に対して不快感を隠せずにいる。冬の初め、雪降る夕べに再び女王を訪ねようとする源氏の姿を見送りながら、紫の上は寂しさに心を痛めるのであった。