心優しい少年ジョバンニは、病気の母を支えるため活版所で働きながら学校に通っている。父は長い間家を空けており、同級生たちからは冷やかされる日々を送っていた。親友のカムパネルラだけは彼に同情的だったが、最近は距離を感じるようになっていた。
銀河祭の夜、ジョバンニは一人丘の上で星空を見上げているうち、いつの間にか幻想的な銀河鉄道に乗車していた。そこには溺死したカムパネルラが現れ、二人は不思議な列車で銀河を旅することになる。車内では様々な乗客と出会い、十字架に向かう青年や幼い兄妹など、それぞれが死への旅路にあることが次第に明らかになる。
旅の途中、カムパネルラはジョバンニに真の友情を語り、みんなの本当の幸せのために尽くすことの大切さを説く。しかし南十字星に近づくにつれ、カムパネルラの姿は薄れていく。ジョバンニが目を覚ますと丘の上にいて、川でカムパネルラが友達を助けようとして溺れ死んだことを知る。深い悲しみの中、ジョバンニは友の言葉を胸に、母のもとへと帰っていく。宮沢賢治が描いた、友情と自己犠牲の美しさに彩られた永遠の名作である。