宰相中将と雲井の雁は長年互いを思い続けながらも、身分の違いと家の対立により結ばれずにいた。中将は内大臣の甥でありながら、過去の確執により正式な結婚を認められずにいる。一方、雲井の雁の父である内大臣も、娘の心が中将にあることを知りつつ、面子にかけて認めようとしなかった。
転機は大宮の忌日法要で訪れる。極楽寺での法事で久しぶりに顔を合わせた叔父と甥は、仏縁に託して和解の糸口を見つける。その後、内大臣は藤の花が美しく咲く夕べに中将を邸に招き、音楽の宴を催す。酒を酌み交わしながら、内大臣は「藤のうら葉」の歌を詠み、ついに二人の結婚を認める意思を示す。
中将は雲井の雁との再会を果たし、長年の思いがようやく実を結ぶ。翌朝、堂々と手紙をやり取りできる関係となった二人に、源氏も満足の様子を見せる。紫の藤の花に託された深い愛情が、ついに報われた物語である。