横浜の外国人学校に通う少年は、幼い頃の苦い体験を振り返る。美しい海の景色を絵に描きたいが、自分の安い絵具では思うように色が出せない。クラスメートのジムが持つ舶来の上等な絵具箱、特に藍色と洋紅色の美しさに心を奪われ、欲望は日増しに膨らんでいく。ある秋の日、ついに魔が差してジムの絵具を盗んでしまう。すぐに発覚し、級友たちに責められ、大好きな女性教師の前で恥をさらす羽目になる。深く反省し涙を流す少年を、教師は優しく諭し、葡萄を与えて慰める。翌日、恐る恐る登校すると、ジムは昨日のことなど忘れたかのように手を差し出し、二人は握手を交わす。教師の愛情と友の寛容に包まれ、少年は人間の温かさを知る。