春になり女院の一周忌が過ぎた初夏、前斎院は寂しい日々を送っていた。源氏は丁寧な手紙と贈り物で求婚を続けるが、女王は結婚を頑なに拒み続けている。女五の宮は源氏の真心ある援助に感謝し、結婚を勧めるものの、女王の意志は固かった。
一方、故太政大臣家で生まれた源氏の長男の元服式が盛大に行われる。源氏は息子に高い位を与えず、あえて六位に留めて大学で学問を積ませることを決意する。祖母の大宮は嘆くが、源氏は真の教養なくして出世しても意味がないと信念を語る。入学式では博士たちが厳格な態度で臨み、異様ながらも荘厳な儀式となった。詩作の会では源氏の作品が父の愛情に満ちた傑作として絶賛される。
若君は勉学に励み、わずか数ヶ月で史記を読破するほどの天分を見せる。大学の試験でも優秀な成績を収め、源氏や親族たちを感動させた。学問を重視する源氏の教育方針により、家中では頻繁に詩会が催されるようになる。
その頃、皇后冊立をめぐって朝廷では三人の女御が競争状態にあり、源氏は斎宮の女御を支持していた。