ただ生死の別れだけが私たちを引き離すものだと思います。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
我々人間は正義とか人道とかいうことを真面目に思う、しかし河童はそんなことを聞くと、腹をかかえて笑い出すのです。
芥川龍之介河童」(0)
天命は天命のままに受け取って、静かに忍従するところに道がある。
下村湖人論語物語」(1938)
あなたが生んだという賢一郎は二十年も前に築港で死んでいる。
菊池寛父帰る」(1917)
音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。
フランツ・カフカ変身」(0)
自分は神様から眼あきにしてやると言われてもお断りしたであろう
谷崎潤一郎春琴抄」(1933)
「生」において、「美」は死滅する。しかし、「芸術」においては、死滅しない。
レオナルド・ダ・ヴインチレオナルド・ダ・ヴインチの手記」(1914)
私はそういうものを身近に見て、素直に死にたいと思う。
岡本かの子老妓抄」(1938)
本当に人間はいいものかしら。本当に人間はいいものかしら
新美南吉でんでんむしのかなしみ」(1935)
どうせ死ぬのだと思うと、そこに世間もなければ主従もなかった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
何というやさしい、何という美しい、何というおっとりした声なんでしょう
新美南吉でんでんむしのかなしみ」(1935)
しかし、下人は雨がやんでも、特別どうしようという当てはない。
芥川龍之介羅生門」(1915)
妾は盲人なれども鼻は確たしかなり、々そうそうに去って含嗽をせよ
谷崎潤一郎春琴抄」(1933)