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高野聖
泉鏡花(1900年)
約93分
37,207字
あらすじ — 山奥で出会った妖しい美女と、僧侶の運命
旅の僧侶が語る、飛騨の山越えの恐怖体験。蛭や蛇がうごめく深山を抜けた先に待っていたのは、この世のものとは思えない美女。彼女の正体は?僧侶はなぜ無事だったのか?泉鏡花が明治33年に書いた怪奇幻想小説の最高傑作。読み始めたら止まらない、日本版ダーク・ファンタジー。
この作品のひとふみ
参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、余りの道の険しさに、つい手が出た。
泉鏡花
蛭(ひる)が降るのです。木の枝から、雨のように蛭が降って来る。
泉鏡花
女は笑いながら、白い手をのべて、その蛇を掴んでひょいと投げた。
泉鏡花
谷川のせせらぎに交って、何とも知れぬ獣の声が遠く聞えた。
泉鏡花
女の肌は月の光のように白く、水は黒曜石のようであった。
泉鏡花
あれは薬を使うのではない、法の力でもない、ただ膚の美しさに因って人間が畜生になるのだ。
泉鏡花
私はその時一心に称名を唱えておりましたから。
泉鏡花
旅僧が一人、汽車の中で私に話した事を、ここにそのまま書く。
泉鏡花
あの婦人は、今でも、あの山の中に、独り住んでいるのでございましょうか。
泉鏡花
日が暮れかけると、あたりの木立の中から、何やらむくむくと動くものが、幾つともなく這い出して来た。
泉鏡花
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