源氏物語(10 榊)
紫式部(与謝野晶子訳)1914年)
小説4929,216源氏物語古典恋愛宮廷
あらすじ — 藤壺の出家と、源氏を取り巻く政治の暗雲
六条御息所は、恋人である源氏の冷淡な態度に絶望し、斎宮である娘とともに伊勢へ下向することを決意する。源氏の正妻葵の上の死後、世間は二人の結婚を予想していたが、源氏はむしろ以前にも増して冷たくなっていた。御息所は苦痛を堪え、恋から身を引くために伊勢行きを断行しようとする。 九月七日、出発間近となった夜、源氏は野の宮を訪れる。質素な構えの神域で、二人は物越しに最後の語らいを交わす。榊の枝を手にした源氏と御息所は、互いの真情を吐露し、涙を流しながら別れを惜しむ。源氏は伊勢行きを思いとどまらせようとするが、すでに決まった儀式を変更することはできない。 十六日に斎宮の御禊が行われ、源氏と御息所は歌を交わして別れる。十四歳の美しい斎宮とともに御息所は都を離れ、伊勢へと向かう。一方、桐壺院の病状が悪化し、院は帝に東宮のことを託し、源氏への信頼を語る遺言を残す。物語は恋の別れと政治的激動が交錯する中で展開され、平安朝の雅な世界と人間の情念が美しく描かれている。
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