私は「大きくなったら……」と深い決心をしていた。「もっと大きくなったら……」
室生犀星幼年時代」(1919)
青春を失った者は酔い泣きといっしょに過去の追憶が多くなって取り乱すことになるだろうから
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(27 篝火)」(1914)
こうした不用心な時に男も女も間違った運命へ踏み込むものだと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
貧にしてへつらわず富んで驕らないというのが、その極致で。
下村湖人論語物語」(1938)
まったく美しいものを美しいままで終わらせたいなどと願うことは小さな人情で、私は二十の美女を好む。
坂口安吾堕落論」(1947)
竜華寺の藤本は生煮えの餅のように真があつて気に成る奴
樋口一葉たけくらべ」(1895)
宮様、宮様、お馬の前にひらひらするのはなんじゃいな
島崎藤村破戒」(1906)
あなたは死という事実をまだ真面目に考えたことがありませんね。
夏目漱石こころ」(1914)
空っぽの記憶の中に、空っぽの私が生きている。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
この痛みも、もう大きいので、参ったら、多分私は死ぬでしょう。
小泉節子思い出の記」(1908)
何という美しい、何というおっとりした声なんでしょう。
新美南吉手袋を買いに」(1943)
武蔵野を除いて日本にこのような所がどこにあるか。
国木田独歩武蔵野」(1898)
類のないお人よしの、そして信頼のできる者は私で、他の男性のすることはそんなものでないことを経験なさったでしょう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
私たち、これから本当に生きられるだけ生きましょうね……
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
歴史は繰り返してはならないものだと思っている。
太宰治黄金風景」(1939)
結局のところ人間の享楽の器は、実に狭いものではないか。実に早く涙であふれるではないか。
岡倉天心茶の本」(1906)