朱雀院での行幸を前に、帝は試楽として宮中で舞を披露させる。源氏は青海波を舞い、その美しさは極楽の迦陵頻伽の声のようと称えられ、帝をも涙させる。しかし東宮の母君は源氏の美貌を警戒し、藤壺も複雑な心境で見つめていた。源氏と藤壺は舞について歌を交わし、源氏は短い返歌にも深い喜びを感じる。
本番の行幸当日、源氏は菊を冠に挿して前回を超える舞を披露し、人間界のこととは思えぬ美しさで観衆を魅了する。この功績により源氏は正三位に昇進する。
その後、藤壺が実家に帰ると源氏は宮邸を頻繁に訪れるが、左大臣家の夫人からは冷遇される。一方、二条院では若紫との生活が始まり、源氏は慈愛深い父のように彼女を教育していた。年が明けて除服した紫の君は美しい女性に成長し、雛遊びに興じながらも源氏を良人として意識し始める。源氏は左大臣家でも複雑な夫婦関係に悩みつつ、義父からは変わらぬ愛情を受けていた。