後世への最大遺物
内村鑑三1897年)
評論・思想9638,392信仰自己啓発
あらすじ — 「誰でも残せる最大の遺物」とは何か——内村鑑三が若者に問いかけた人生の意味
明治三十年に発表されたこの講演録は、内村鑑三が箱根で開かれたキリスト教徒夏期学校において、人生の意義について語った名演説である。 内村は若き日に頼山陽の詩「千載青史に列せん」に感銘を受け、歴史に名を残したいという志を抱いていた。しかしキリスト教に接すると、名声を求めることは肉欲的で不信者的だと教えられ、ただ罪を犯さずに天国に救われることのみを願う消極的な心境になった。だが彼は次第に、この美しい地球と同胞への愛の証として何かを遺したいという純粋な願いに目覚める。 講演では、後世に遺すべきものとして「金」「事業」「思想」を挙げながらも、最終的に最も尊い遺物は「勇ましい高尚な生涯」そのものだと結論づける。どんな境遇にあろうとも、清く正しく美しく生きることこそが、後世への最大の贈り物になると説く。 この演説は明治期の青年たちに大きな感動を与え、多くの人々の人生に深い影響を与えた。内村の情熱的でありながら論理的な語り口は、キリスト教的人生観と日本人の心情を見事に融合させた傑作として今なお読み継がれている。
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