半身は砂のなかにうもれていて、それで居てべろべろ舌を出している。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
嫌悪現実の汚さに気づいたとき
自分で自分の馬鹿を承知しているほど尊く見えることはない。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
覚醒自分の愚かさに気づくとき
見よ、鳶は羽ばたきもせず中空から石のように落ちて来るではないか。
中島敦名人伝」(1942)
畏怖不可能を目の当たりにしたとき
心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる夕顔の花
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(04 夕顔)」(1914)
恋慕何気ない日常で思いがけない美しさに心を奪われたとき
こうなれば、もう誰も笑う者はないに違いない。
芥川龍之介」(1916)
安堵長い迷いの末に、ようやく心の平穏を取り戻したとき
あちこちから鎖が絡まっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
太宰治魚服記」(1933)
絶望身動きが取れない状況に追い詰められたとき
こんなおいしいご飯を食べたことはないと思うほどだった。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
慈愛困った時に助けられたとき
一切の理論は灰色だ、生命の黄金の樹は緑だ。
ゲーテファウスト」(1808)
驚き人生に迷ったとき
小事、小事が大事だ!
ドストエフスキー罪と罰」(0)
焦り細かいことが計画を左右すると気づいたとき
新政府の信用も、まだそんなに民間に薄いのか
島崎藤村破戒」(1906)
落胆理想と現実のギャップに直面したとき
運命に従順な人間の姿は奇妙に美しいものである。
坂口安吾堕落論」(1947)
哀愁どうにもならない現実を受け入れるしかないとき
私はちょうど霧の中に閉じ込められた孤独の人間のように立ち竦んでしまったのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
孤独将来への道筋が見えず迷っているとき
しかしそう考えた私はついに一種の淋しさを脱却する訳に行かなかったのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
哀愁信念を貫くことの孤独を感じるとき
世界中にたった二人の私たちがここにいるのです。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
孤独この世で自分を理解してくれるのは、ただ一人しかいないと感じるとき
もう先生に抱かれたまま死んでしまいたいような心持ちになってしまいました。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
慈愛深い愛情に包まれて安らぎを感じるとき
こうして変わらない愛をかける源氏に真心から信頼している様子に同情がされた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
慈愛相手の欠点を受け入れるとき
この虹が人間の努力の影だ
ゲーテファウスト」(1808)
洞察人生を俯瞰したとき
教師というものは実に楽なものだ。人間と生まれたら教師となるに限る。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
羨望職業を考えるとき
真実の子として持ちたかったという気がした。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(33 藤のうら葉)」(1914)
切なさ愛する人を手放すとき
永遠の驚きをもって自然をのぞいている。
森鷗外最後の一句」(1915)
畏怖世界の美しさに圧倒されたとき