池の尾の禅智内供は、五六寸もある異様に長い鼻に長年悩まされ続けていた。食事の際は弟子に板で鼻を支えてもらわねばならず、何より人々の嘲笑に自尊心を深く傷つけられていた。鏡で短く見せる工夫や、同じような鼻の人物を探すなど、あらゆる方法を試したが効果はない。ある日、弟子が京から持ち帰った中国の医師の治療法を試すと、熱湯で茹でて踏むという奇妙な方法で鼻は見事に短くなった。喜んだのも束の間、今度は人々が以前にも増して露骨に笑うようになる。他人の不幸が解決されると物足りなさを感じる人間の利己的な心理に直面し、内供は短くなった鼻を恨めしく思うまでになった。そんなある夜、鼻が腫れて熱を持ち始める。