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内供は実にこの鼻によって傷つけられる自尊心のために苦しんだのである。
芥川龍之介「鼻」(1916)
悲しみ, 自己嫌悪
自分の欠点に直面したとき
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我母は余を活きたる辞書となさんとし、我官長は余を活きたる法律となさんとやしけん。辞書たらむは猶ほ堪ふべけれど、法律たらんは忍ぶべからず。
森鷗外「舞姫」(1890)
反発、自我への目覚め
親や上司の期待に縛られ、自分の人生に疑問を持ち始めたとき
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私が死のうと決心してから、もう十日以上になりますが、その大部分はあなたにこの長い自叙伝の一節を書き残すために使用されたものと思って下さい。
夏目漱石「こころ」(1914)
決意
人生の最後に何かを遺したいと思ったとき
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秋の半ば、十月の末から此の雑木林の変化は見事である。
国木田独歩「武蔵野」(1898)
感動
季節の変わり目に自然の美しさを感じたとき
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どうも腹が減った。さっきから横っ腹が痛くてたまらないんだ。
宮沢賢治「注文の多い料理店」(1924)
滑稽
お腹が空きすぎて判断力が鈍るとき
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新時代の青年をもってみずからおる三四郎は少し小さくなっていた。
夏目漱石「三四郎」(1908)
自意識, 挫折, 劣等感
理想と現実のギャップに直面したとき
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幸福は人格である。ひとが外套を脱ぎすてるようにいつでも気楽にほかの幸福は脱ぎすてることのできる者が最も幸福な人である
三木清「人生論ノート」(1941)
気づき
幸せの意味がわからなくなったとき
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谷川のせせらぎに交って、何とも知れぬ獣の声が遠く聞えた。
泉鏡花「高野聖」(1900)
不穏
何かがおかしいと直感したとき
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路寂寞(じゃくまく)と古今(ここん)の春を貫(つらぬ)いて、花を厭(いと)えば足を着くるに地なき小村(こむら)に、婆さんは幾年(いくねん)の昔からじゃらん、じゃらんを数え尽くして、今日(こんにち)の白頭(はくとう)に至ったのだろう。
夏目漱石「草枕」(1906)
哀切, 深い洞察
人生の無常さと営みの積み重ねに気づいたとき
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『草枕』を見る
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あたかもくたびれたる人のごとく仰臥してありたり。
柳田国男「遠野物語」(1910)
悲しみ、虚無感、諦念
人生に疲れたとき、存在の意味を問い直したいとき
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芸術は長く、人生は短い。 しかし人生なくして 芸術はあり得ない。
有島武郎「生れ出づる悩み」(1918)
覚悟
限られた時間の中で何かを成し遂げたいとき
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当軒は注文の多い料理店ですから どうかそこはご承知ください
宮沢賢治「注文の多い料理店」(1924)
恐怖
何かがおかしいと薄々気づいたとき
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二十三年の弱点が一度に露見したような心持ちであった
夏目漱石「三四郎」(1908)
自己否定, 絶望感
自分の人生を否定されたと感じるとき
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閻魔大王はにやにや笑いながら、何か又ほかの鬼どもに命令をしました。するとその鬼どもに引き立てられて、地獄の罪人が二人、息も絶え絶えに彼の前へやって来ました。――その罪人を一目見た時、杜子春は思わず声を立てそうになりました。なぜと云えばその二人の罪人は、外でもない彼の父と母とだったからです。
芥川龍之介「杜子春」(1920)
衝撃、悲しみ
最も大切な人が傷つけられるのを目の当たりにするとき
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明日もまた、同じ日が来るのだろう。 幸福は一生、来ないのだ。 それは、わかっている。 けれども、きっと来る、 あすは来る、と信じて寝るのが いいのでしょう。
太宰治「女生徒」(1939)
希望
明日に希望を持ちたいとき
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学問するには、その志を高遠にせざるべからず。飯を炊き、風呂の火を焚くも学問なり。天下の事を論ずるもまた学問なり。されども一家の世帯は易くして、天下の経済は難し。
福沢諭吉「学問のすすめ」(1872)
決意
学問の道を志すとき、自分の人生の目標について考えるとき
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人民もし暴政を避けんと欲せば、すみやかに学問に志しみずから才徳を高くして、政府と相対し同位同等の地位に登らざるべからず。これすなわち余輩の勧むる学問の趣意なり。
福沢諭吉「学問のすすめ」(1872)
希望
現状に不満を感じているが、どう変わればいいか分からないとき
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その表情はぴしゃりと心のカメラへ焼き付いてしまった。
夏目漱石「草枕」(1906)
美への感動、切なさ
心に深く残る美しさに出会いたいとき
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悲しみは誰でも持っているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしはわたしの悲しみをこらえて行かなければならない。
新美南吉「でんでんむしのかなしみ」(1935)
覚悟、孤独の受容
自分だけが不幸だと思い込んでいたことに気づいたとき
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謂わばおそろしい魔の淵(ふち)にするすると吸い寄せられるように
太宰治「ヴィヨンの妻」(1947)
恐怖
人生の決断を迫られるとき
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