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内供は人を見ずに、ただ、鼻を見た。――しかし鍵鼻(かぎばな)はあっても、内供のような鼻は一つも見当らない。
芥川龍之介「鼻」(1916)
孤独
自分と同じ苦しみを持つ人を探したいとき
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幸福は一夜おくれて来る。 幸福は、――
太宰治「女生徒」(1939)
切なさ
幸せがなかなか来ないと感じるとき
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では彼は一体どうしたのであろう。
江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(1925)
困惑, 驚き
密室から逃げ場のない犯人の痕跡を前にしたとき
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良平はとうとう泣き出した。 しかし足だけは止めなかった。
芥川龍之介「トロッコ」(1922)
決意
泣きながらでも前に進まなきゃいけないとき
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そうだ、一度にひと身上いるんだ
ドストエフスキー「罪と罰」(0)
怒り
わずかな報酬では満足できず、人生を大きく変えたいという切迫した願いを抱いているとき
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本当のことを云えば、そんな先きの成算なんて、どうでもいいんだ。――死ぬか、生きるか、だからな
小林多喜二「蟹工船」(1929)
決意
集団での反発行動を前にして、計算や利害得失を超越した覚悟を決めるとき
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三四郎は往来のまん中でまっ赤になってうつむいた。
夏目漱石「三四郎」(1908)
恥辱, 怒り, 屈辱
自分に対する美禰子の言動を後になって悪く解釈し、愚弄されたことに気づいたとき
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学問をする人がうるさい俗用を避けて、なるべく単純な生活にがまんするのは、みんな研究のためやむをえないんだからしかたがない。野々宮のような外国にまで聞こえるほどの仕事をする人が、普通の学生同様な下宿にはいっているのも必竟野々宮が偉いからのことで、下宿がきたなければきたないほど尊敬しなくってはならない。
夏目漱石「三四郎」(1908)
自己否定, 劣等感, 挫折
自分と野々宮を比較して、美禰子から軽んじられていることに気づいたとき
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セロもずいぶん降ったものだなあ。 おい。
宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」(1934)
怒り
上司や先輩にけなされたとき
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私は生きている。――そうだ、それだけで充分じゃないか。
堀辰雄「風立ちぬ」(1938)
覚悟
すべてを失っても前を向くとき
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その夜おれと山嵐はこの不浄(ふじょう)な地を離(はな)れた。船が岸を去れば去るほどいい心持ちがした。
夏目漱石「坊っちゃん」(1906)
解放感
堕落した環境から脱け出し、自分らしく生きたいとき
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ちくしょうめ、やられたんです。あいつにやられたんです。
江戸川乱歩「怪人二十面相」(1936)
悔しさ、怒り
自分が二十面相に騙されたことを認識したとき
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妙な偶然ですね
江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(1925)
寂寥感, 運命への問い
人生の偶然性や必然性について考え込みたいとき
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――こうなれば、もう誰も哂(わら)うものはないにちがいない。
芥川龍之介「鼻」(1916)
悲しみ、皮肉、諦念
自分の醜さが戻ってきたことを受け入れるしかないとき
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つまり卒業はお前に取ってより、このおれに取って結構なんだ。解ったかい
夏目漱石「こころ」(1914)
切なさ, 愛情
親の死を覚悟した父の真摯な思いを初めて理解するとき
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せねば、饑死をするのじゃて、 仕方がなくした事であろ。
芥川龍之介「羅生門」(1915)
衝撃
自分の行動を正当化したくなるとき
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「いき」の構造は「媚態」と「意気地」と「諦め」との三契機を示している。
九鬼周造「「いき」の構造」(1930)
腑に落ちる
日本的な美しさの正体を知りたいとき
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文字を読むことのみを知りて物事の道理をわきまえざる者はこれを学者と言うべからず。いわゆる「論語よみの論語しらず」とはすなわちこれなり。
福沢諭吉「学問のすすめ」(1872)
怒り、痛烈な批判
知識があっても実生活に活かせていない自分に気づいたとき
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疑い、理解し、肯定し、否定し、欲し、欲せぬ、なおまた想像し、感覚するものである。
デカルト「省察」(1641)
思考の豊かさ
人間の心の複雑さに向き合いたいとき
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鬼は元来平和を愛する種族だった。
芥川龍之介「桃太郎」(1924)
衝撃、皮肉
正義だと信じていたものの裏側を見てしまったとき
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