葉桜と魔笛
太宰治1939年)
小説156,116恋愛
あらすじ — 死にゆく妹への偽りの手紙が、思いもよらない奇跡を呼ぶ
中学校長の父と暮らす二十歳の姉と十八歳の妹。美しい妹は腎臓結核に冒され、医師から余命百日を宣告される。姉は妹の箪笥から恋人M・Tからの手紙の束を発見するが、実はそれは妹が自分宛てに書いた偽の恋文だった。妹を慰めようと、姉はM・Tになりすまして愛の手紙を書く。しかし妹は姉の偽装を見抜き、互いの孤独と青春への憧れを告白し合う。その時、庭の葉桜の向こうから手紙に約束した軍艦マーチの口笛が聞こえてくる。妹は三日後に静かに息を引き取った。年老いた姉は、あの口笛が神の恵みだったのか、それとも厳格な父の優しい狂言だったのか、今も確信を持てずにいる。
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