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内供は人を見ずに、ただ、鼻を見た。――しかし鍵鼻(かぎばな)はあっても、内供のような鼻は一つも見当らない。
芥川龍之介「鼻」
背景解説
主人公の僧・内供は自分の長い鼻がコンプレックスで、世界中を「鼻」でしか判断できなくなっちゃってる状態。周りにいっぱい人がいるのに、誰もが「あ、この人も長い鼻だ」「いや、違う」ってフィルターを通してしか見えてないわけです。つまり、自分の悩みが強すぎて、人間らしい付き合いができなくなってる悲しさが詰まった一場面。
そんな内供が、ついに同じような長い鼻を持つ人に出会ったとき、何が起こるのか?
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『鼻』の他のひとふみ
内心では勿論弟子の僧が、自分を説伏(ときふ)せて、この法を試みさせるのを待っていたのである。
芥川龍之介
内供のそう云う策略をとる心もちの方が、より強くこの弟子の僧の同情を動かしたのであろう。
芥川龍之介
それは分っても、自分の鼻をまるで物品のように取扱うのが、不愉快に思われたからである。
芥川龍之介
前にはあのようにつけつけとは哂わなんだて。
芥川龍之介
ほとんど、忘れようとしていたある感覚が、再び内供に帰って来たのはこの時である。
芥川龍之介
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