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「またおっかさんところへ行ったのか。」とたずねるごとに、私はそしらぬ振りをして、「いえ。表で遊んでいました。」
室生犀星「幼年時代」
背景解説
これ、めちゃくちゃ切ない場面なんです。主人公は養母に育てられてるんだけど、実の母親に会いに行ったことがバレるのが怖くて嘘をついちゃう。子どもなりに「どっちも傷つけたくない」って気持ちと、「本当のお母さんに会いたい」って気持ちの板挟みになってるのがリアルすぎて胸が痛くなります。
でも、この嘘が後に取り返しのつかない事態を招くことになるなんて、この時の彼は知る由もなかった...
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『幼年時代』の他のひとふみ
私は黙って俯向うつむいていた。何を言っても駄目だ。何も言うまいと心で誓った。
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私はこの全世界のうちで一番不幸者で、一番ひどい苦しみを負っているもののように感じた。
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九歳の冬、父が死んだ。
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母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
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