母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
哀愁大切な人を突然失ったとき
ゼラール中尉には、不思議なことに友人が一人もできなかったのである。
菊池寛」(1920)
孤独人気者なのに深い友情を築けない時
老いぼれて飛ばず鳴かない遠い方の森のふくろうが笑うだろうか
柳田国男遠野物語」(1910)
諦念自分の行動に迷いや不安を感じるとき
僕の魂のアフリカはどこまでもぼうぼうと広がっている。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
畏怖自分の内面の深さを恐れるとき
お前はもう帰れ。俺たちは今日は向こう泊まりだから。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
恐怖突然一人になる不安に襲われたとき
幸福を語ることがすでに何か不道徳なことであるかのように感じられるほど今の世の中は不幸に満ちているのではあるまいか。
三木清人生論ノート」(1941)
哀愁社会の不幸を目の当たりにして絶望感を抱くとき
私は生涯にまたとあるまじき重要な地位に立っているのだから。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
覚悟人生の重大な転機に立ったとき
私の舌の性質がそうなんですね
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(26 常夏)」(1914)
自己受容自分の欠点を指摘されたとき
真っ白い手の平に紫色の葡萄の粒が重なって乗っていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことができます。
有島武郎小さき者へ」(1918)
郷愁過去の美しい記憶を大切に思い出すとき
しかし、私の心の上には、切ないほどはっきりと、この光景が焼きつけられた。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
驚き思いがけない美しい瞬間に出会ったとき
見ないでいることは堪えられない気がするのもにわかな愛情すぎるね
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(18 松風)」(1914)
慈愛子供への愛情が溢れているとき
昔の例を見ても、年が若くて官位の進んだ、そして世の中に卓越した人は長く幸福でいられないものである。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
無常成功の絶頂にいるときに感じる不安
名前なんてどうでもいいじゃないか。忘れたって全然不自由はしない。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
ユーモア深刻な状況を笑い飛ばしたくなったとき
私はこんなにまで人から冷淡にされたことはこれまでないのだから、今晩はじめて人生は悲しいものだと教えられた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(03 空蝉)」(1914)
孤独恋に破れたとき
真白い手のひらに紫色の葡萄の粒が重なってのっていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことができます。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
郷愁人生の美しい瞬間を振り返るとき
この虹が人間の努力の影だ
ゲーテファウスト」(1808)
洞察人生を俯瞰したとき
これは軽薄な花なものか。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(33 藤のうら葉)」(1914)
信頼愛を信じたいとき
内供はなまじっか鼻が短くなったのが、かえって恨めしくなった。
芥川龍之介」(1916)
後悔望んでいた変化を手に入れたのに幸せになれないとき
この絵にはお前の心が映っているぞ
谷崎潤一郎刺青」(1910)
畏怖自分の隠された本性を指摘されたとき
新政府の信用も、まだそんなに民間に薄いのか
島崎藤村破戒」(1906)
落胆理想と現実のギャップに直面したとき