夫婦善哉
織田作之助1940年)
小説7730,640恋愛
あらすじ — ダメ男とじゃじゃ馬女の、大阪キタの愛と根性
大阪の天ぷら屋種吉の娘蝶子は、貧しい家計を支えるため芸者になる。曾根崎新地で売れっ子となった蝶子は、妻子ある化粧品問屋の息子・柳吉と恋仲になる。柳吉は「うまいもん食い」で、蝶子を連れて大阪の庶民的な名店を食べ歩く。まむし、たこ、関東煮など下手物料理を共に味わううち、二人の仲は深まっていく。 しかし柳吉は遊興費に困り、父親からは厳しく叱責される。追い詰められた柳吉は蝶子に駆け落ちを持ちかけ、東京での集金を口実に二人は関西を出る。熱海で束の間の逸楽を楽しむが、関東大震災に遭遇し、命からがら大阪に逃げ帰る。 実家に戻った蝶子を両親は温かく迎え入れ、柳吉も受け入れられる。芸者を辞めた蝶子と柳吉は所帯を持ち、貧しいながらも愛情に支えられた夫婦生活を始める。織田作之助の代表作として、戦前大阪の庶民文化と人情を生き生きと描いた傑作である。関西弁の妙味と食文化への愛情が、市井の男女の純粋な恋を魅力的に彩っている。
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