文学を専門的にまでやる人で長寿と幸福を二つとも揃って得ている人は少ない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
無常才能と幸福について考えるとき
かかる生きた眼によって見る光が、初めて明るい光、暗い光、燃える紅、しみ入る大空の自由の青さを見ることができるのである。
中井正一美学入門」(1941)
希望真に生きることの意味を求めるとき
ただ懲役に行かないで生きているばかりである。
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
皮肉自分の人生を振り返って自嘲したいとき
窮屈な境遇の源氏はこうした山歩きの経験がなくて、何もかもみな珍しく面白く思われた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(05 若紫)」(1914)
解放感日常の息苦しさから逃れたいとき
おかげ様で私も一人前の仙人になれました。
芥川龍之介仙人」(1922)
喜び長年の努力が実を結んだとき
神がいるなら、出てきてください!
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
狂気理不尽な出来事に直面し、神に問いただしたいとき
俺たちに父親があるものか、あればあんな苦労はしていない。
菊池寛藤十郎の恋」(1919)
怒り理不尽な現実に直面して怒りが爆発するとき
これは福沢という正体が現れては、たった一発と、安い気はしない
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
緊張敵地に紛れ込んだとき
すべての人間は哲学者である。
三木清哲学入門」(1940)
覚悟自分には哲学なんて無理だと思ったとき
末遠き二葉の松に引き分かれいつか木高きかげを見るべき
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(19 薄雲)」(1914)
哀愁愛する子どもを手放さなければならないとき
こんな月夜には、子供たちは何か夢みたいなことを考えがちでした。
新美南吉」(1943)
幻想日常を離れて特別な体験をしたいとき
百姓にだって、ああいう頼もしい人もある
島崎藤村破戒」(1906)
感動身分制度の壁を越えて人を評価するとき
永遠の驚きをもって自然をのぞいている。
森鷗外最後の一句」(1915)
畏怖世界の美しさに圧倒されたとき
社会の虫なりというような次第で、それはそれは卑劣とも何とも実に言いようのない悪い事をして少しも恥じない
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
後悔過去の行動を振り返るとき
もっと早く死ぬべきだったのになぜ今まで生きていたのだろう
夏目漱石こころ」(1914)
絶望人生に絶望したとき
もうあとへは退けない気になっていて、再び情火を胸に燃やしながら心をこめた手紙を続いて送っていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(20 朝顔)」(1914)
執着恋が叶わない相手への想いが抑えられないとき
しかし東京ないし大阪のようになるということは、必ずしもこれらの都市が踏んだと同一な発達の道筋によるということではない。
芥川龍之介魔術」(1920)
希望地方都市の発展可能性について考えるとき
天国は彼らの話によると、封建時代の城に似たデパートらしい。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
皮肉権力者の偽善を見抜きたいとき
冷淡な態度を取れる者はあまりなさそうなのに源氏はかえって失望を覚えた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(06 末摘花)」(1914)
無常恋愛に飽きを感じているとき
言語は通じなくてもよい。
森鷗外最後の一句」(1915)
静寂言葉を超えた理解に気づいたとき