俺は世の中を駆けて通った。そしてあらゆる歓楽を、髪を掴んで引き寄せるようにした。
ゲーテファウスト」(1808)
お前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね
夏目漱石夢十夜」(1908)
汚れつちまった悲しみに今日も小雪の降りかかる
中原中也山羊の歌」(1934)
あいつはいつも歪んだ顔をして、窓のそばに突っ立っている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
こうした不用心な時に男も女も間違った運命へ踏み込むものだと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
流転の相はこの通りだ。昼となく夜となく流れてやまない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
美は常に、無限に変わりつつあるといえる。
中井正一美学入門」(1941)
なぜならばそのすべては自明のことのように聞こえるからです。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
私はこの時初めて、言いようのない疲労と倦怠とを、そして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅かに忘れることができたのである。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
自分の気持ちをほのめかしてだけでも言うことのできる母というものを玉鬘は持っていなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)
自分は前世にどんな重い罪障があってこの苦しみに堪えなければならないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
貧乏でも人にへつらわない、富んでも人に驕らない。
下村湖人現代訳論語」(1949)