大正から昭和初期にかけて活躍した自由律俳句の巨匠による珠玉の句集。中学時代の習作から最晩年の小豆島時代まで、十の時期に分けて放哉の生涯を俳句とともに辿る構成となっている。東京帝大卒業後、保険会社員として働くも酒に溺れ、朝鮮や満州を転々とした後、妻と離縁し京都の一燈園で修行生活を送る。その後須磨寺の堂守となり、「咳をしても一人」など代表的な自由律俳句を次々と生み出す。最終的には小豆島の西光寺で庵主として孤独な日々を過ごし、四十一歳の若さで病没する。定型に囚われない自由な表現で、放浪と孤独の中に見出した人生の哀歓を詠んだ名句の数々は、今なお多くの読者の心を打つ。