生きることは、もっとわけの分らぬものだ。
坂口安吾堕落論」(1947)
困惑、諦観、深い思索人生の意味や目的について迷ったとき
いいねえ。富士は、やつぱり、 いいとこあるねえ。 よくやつてるなあ。
太宰治富嶽百景」(1939)
安らぎ不器用な人を応援したいとき
富士には、月見草がよく似合ふ。
太宰治富嶽百景」(1939)
決意小さなものの中に美しさを見つけたとき
箱根あたりの、何から何まで行き届いた西洋人に向く宿屋よりも、こんなのがかえって気に入りました。
小泉節子思い出の記」(1908)
驚き、共感不気味で粗末な山中の宿に泊まったとき
「めおとで食べたら 御利益がありまっせ」 と言われて、二人は善哉を頼んだ。 甘い善哉が、 二人の口に沁みた。
織田作之助夫婦善哉」(1940)
幸福小さな幸せを噛みしめるとき
同一の自己は同一の状態を繰り返すだらう。
幸田露伴努力論」(1912)
焦り毎年同じことの繰り返しだと感じるとき
こう云う風に、幾晩となく母が気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父は、とくの昔に浪士のために殺されていたのである。
夏目漱石夢十夜」(1908)
悲しみ絶望を知りたいとき、無意味な努力について考えるとき
その時私は明治の精神が天皇に始まって天皇に終ったような気がしました。最も強く明治の影響を受けた私どもが、その後(あと)に生き残っているのは必竟(ひっきょう)時勢遅れだという感じが烈(はげ)しく私の胸を打ちました。
夏目漱石こころ」(1914)
喪失感, 絶望, 時代への違和感自分が所属していた時代や価値観が終わったと感じるとき、生きる意味を失ったとき
おのれに存する偉大なるものの小を感ずることのできない人は、他人に存する小なるものの偉大を見のがしがちである。
岡倉天心茶の本」(1906)
ハッとする他人を見下してしまいそうなとき
私この小泉八雲、日本人よりも本当の日本を愛するです
小泉節子思い出の記」(1908)
決意自分の外見的特徴について指摘されたとき
垢じみた萌黄色の毛糸の襟巻をした、 大きな風呂敷包みを抱えた、 十三四の小娘
芥川龍之介蜜柑」(1919)
驚き第一印象で人を判断しちゃうとき
喜助は弟に頼まれた通り、剃刀を抜いた。抜くと血がどっと出て弟は死んだ。
森鷗外高瀬舟」(1916)
衝撃、悲しみ正しいことをしたはずなのに罪に問われるとき
海蔵はそれから少しいい人になりました。
新美南吉牛をつないだ椿の木」(1943)
温かさ、希望人は変われるのかと問いたくなったとき
傷ましい先生は、自分に近づこうとする人間に、近づくほどの価値のないものだから止せという警告を与えたのである。
夏目漱石こころ」(1914)
悲しみ相手の冷淡さの真の理由を理解したとき
人は一つの葦に過ぎない。その性質に於て最も弱い葦だ。しかし彼は考へる葦だ。
パスカルパスカルの言葉」(1943)
誇り自分の無力さを感じて落ち込んだとき
おまえの音はまるで甘い。 表情というものがまるでないんだ。
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
怒り厳しいダメ出しをされたとき
この言葉を聞いた時、三四郎は真実に熊本を出たような心持ちがした。同時に熊本にいた時の自分は非常に卑怯(ひきょう)であったと悟った。
夏目漱石三四郎」(1908)
覚醒、後悔と決意の混在、解放感自分の過去の思考に向き合い、本当の意味で新しい世界へ踏み出したいとき
物の真に肝要なところはただ虚にのみ存すると彼は主張した。たとえば室の本質は、屋根と壁に囲まれた空虚なところに見いだすことができるのであって、屋根や壁そのものにはない。
岡倉天心茶の本」(1906)
知的好奇心ものの本質を考えたいとき
ただあなたとわたしのように、こういっしょにいるところなんで、その場限りで面白味があるでしょう
夏目漱石草枕」(1906)
切なさ、諦観人生の意味や関係の本質について問われたとき
人の貴きにあらず、国法の貴きなり。
福沢諭吉学問のすすめ」(1872)
覚醒、価値転換身分や地位の本質について考えるとき