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セロ弾きのゴーシュ
宮沢賢治(1934年)
約30分
11,820字
あらすじ — 下手くそなチェロ弾きが、動物たちに鍛えられる夜
町の楽団でセロ(チェロ)を弾くゴーシュは、いつも楽長に怒られてばかり。毎晩必死に練習していると、なぜか動物たちが次々と家にやってくる。猫、かっこう、狸の子、野ねずみの親子。彼らの「無茶な」お願いに付き合ううちに、ゴーシュの演奏は変わっていく。気づかないうちに成長していた――そんな経験、きっとある。賢治が遺した、音楽と人間の成長の物語。
この作品のひとふみ
ゴーシュは町の活動写真館で セロを弾く係りでした。 けれどもあんまり上手でないという評判でした。
宮沢賢治
セロもずいぶん降ったものだなあ。 おい。
宮沢賢治
トロメライ、ロマチックシューマン作曲。 弾いてごらんなさい。
宮沢賢治
かっこうかっこうかっこうかっこうかっこう
宮沢賢治
ゴーシュはおれはおこったんじゃなかったんだ。 あのときはほんとうにすまなかった。
宮沢賢治
こんやの演奏についてはわたくしじつはあのセロには まったく感心しました。
宮沢賢治
怒るとは何だ。赤ん坊が夜泣きするので あなたのセロを聞かせるんです。
宮沢賢治
愉快だなあ。 この出だしのところはいままでの中で いちばんいいような気がするなあ。
宮沢賢治
おまえの音はまるで甘い。 表情というものがまるでないんだ。
宮沢賢治
ゴーシュはかっこうがこんやあたり来るかなと思いながら また一生けん命セロを弾きました。
宮沢賢治
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