五十鈴川神のさかひへのがれきぬおもひあがりしひとの身のはて (晶子)斎宮(さいぐう=伊勢神宮に仕える皇女)の伊勢へ……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(10 榊)」(1914)
私の新体制も、ロマンチシズムの発掘以外にはないようだ。
太宰治畜犬談」(1939)
私と親しいある老科学者が、ある日私に次のようなことを話して聞かせた。
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
それはまだ人々が「愚」という貴い徳を持っていて、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。
谷崎潤一郎刺青」(1910)
ある日の夕方のことである。
芥川龍之介羅生門」(1915)
天地に春新しく来たりけり光源氏のみむすめのため     (晶子)源氏が十一歳の姫君の裳着の式(もぎのしき=女子の成……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(32 梅が枝)」(1914)
これはある精神病院の患者、――第二十三号が誰にでもしゃべる話である。
芥川龍之介河童」(0)
夫  (縁側の籐椅子(とういす)に倚(よ)り、……
岸田国士紙風船」(1925)
松江へ来て、まず自分の心をひいたものは、この市を縦横に貫いている川の水とその川の上に架けられた多くの木造の橋とであった。
芥川龍之介魔術」(1920)
「では皆さんは、昔の人が川だと言ったり、乳(ちち)の流れた跡だと言ったりしていた、……
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
年月がどんなにたっても、源氏は死んだ夕顔のことを少しも忘れずにいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
寒い冬が北方から、狐の親子の住んでいる森へもやって来ました。
新美南吉でんでんむしのかなしみ」(1935)
私はよく実家へ遊びに行った。
室生犀星幼年時代」(1919)
市九郎は、主人の切り込んで来る太刀を受け損じて、左の頬から顎へかけて、微傷ではあるが、一太刀受けた。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
そんなにもあなたはレモンを待っていた
高村光太郎智恵子抄」(1941)
七月の初め、わけもなく暑い時分の夕方近く、……
ドストエフスキー罪と罰」(0)