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垢じみた萌黄色の毛糸の襟巻をした、 大きな風呂敷包みを抱えた、 十三四の小娘
芥川龍之介「蜜柑」
背景解説
芥川はこの少女を最初、めちゃくちゃネガティブに描写する。「垢じみた」「大きな風呂敷包み」って、要するに田舎くさくて不潔に見える。でもこの見下した視線が、後で完全に裏切られる。人を外見で判断することの愚かさを、芥川は自分自身を使って描いてる。
この「不快な少女」が、最後に見せる行動に心を打たれる。
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『蜜柑』の他のひとふみ
私はこの小娘の下品な顔だちを好まなかった。 それからまた大きすぎる風呂敷包みが不快であった。
芥川龍之介
暖かな日の色に染まっている蜜柑が 五つ六つ、汽車を見送った弟たちの上へ ばらばらと空から降ってきた。
芥川龍之介
トンネルの中の汽車の窓をあけるなんて、 非常識な。
芥川龍之介
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