私は買い物かごを抱えて、細かく震えながら一心に一心に待っているのだ。
太宰治待つ」(1942)
河童は我々人間が河童のことを知っているよりも遥かに人間のことを知っています。
芥川龍之介河童」(0)
おれたちは、これで、うまく行ってる方じゃないかなあ。
岸田国士紙風船」(1925)
道を歩いて常に見る若い美しい女、出来るならば新しい恋を為たいと痛切に思った。
田山花袋蒲団」(1907)
愛されたい願いが善い願いならば事実として愛されなくとも、死ぬまで依然として愛されたいと願うべきである。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
大衆は静かな絶望の生活を送っている
ソロー森の生活」(1854)
とほい空でぴすとるが鳴る。またぴすとるが鳴る。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
体中とても血の回りがよくなって大変いい気持ちです。
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
血という奴はとにかく特別な汁ですからね。
ゲーテファウスト」(1808)
およそ人間が滅びるのは、地球の薄皮が破れて空から火が降るのでもなければ
泉鏡花高野聖」(1900)
ああ、真の美の人を動かすことはあのとおりさ。
泉鏡花外科室」(1895)
こうして私が数時間前から座っているのに、どうもまだこの部屋は空虚のようだ。
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
あいつはいつも歪んだ顔をして、窓のそばに突っ立っている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)