つまり卒業はお前に取ってより、このおれに取って結構なんだ。解ったかい
夏目漱石こころ」(1914)
切なさ, 愛情親の死を覚悟した父の真摯な思いを初めて理解するとき
よだかはもう 泣きだしたいくらいでした。
宮沢賢治よだかの星」(1934)
悲しみ泣きたいのに泣けないとき
あの鼻では誰も妻になる女があるまいと思ったからである。
芥川龍之介」(1916)
悲しみ, 切なさ自分の外見で人生が決められてしまうと感じたとき
おれだって、金のある時はたびたび人に貸したことがある。しかしだれもけっして返したものがない。それだからおれはこのとおり愉快だ
夏目漱石三四郎」(1908)
諦観、達観、優しさ人間関係の本質を考えたいとき、執着から解放されたいとき
悲しみは誰でも持っているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしはわたしの悲しみをこらえて行かなければならない。
新美南吉でんでんむしのかなしみ」(1935)
覚悟、孤独の受容自分だけが不幸だと思い込んでいたことに気づいたとき
女の肌は月の光のように白く、水は黒曜石のようであった。
泉鏡花高野聖」(1900)
陶酔美しすぎるものに理性を失いそうになったとき
お前が学資を続ける方法がないために、もう幾月も大学をやめてしまい、出稽古その他の口もなくなったと知った時、わたしの気持はどんなだったでしょう!
ドストエフスキー罪と罰」(0)
悲しみ、切なさ親が子どもの困窮を知ったとき
すべてが退屈で、下等で、 退屈で仕方がなかった。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
孤独世の中のすべてがつまらなく感じるとき
永遠は現在の一瞬にある。刻下に道に生きる心こそ、生死を乗りこえて永遠に生きる心なのだ。
下村湖人論語物語」(1938)
悟り将来の不安に押しつぶされそうなとき
朝は、いつでも自信がない。
太宰治女生徒」(1939)
孤独朝、自分に自信が持てないとき
今まではあまり類例のなかった私たちの如(ごと)き夫婦関係も、追い追い諸方に生じるだろうと思われますから。
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
希望自分たちの人生経験が普遍的な価値を持つと気づいたとき
アア、とうとう耐え切れなくなったと見えて、自首しましたよ。妙な偶然ですね。丁度その事を話していた時に、こんな報導に接しるとは
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
やるせなさ, 人間への深い洞察誰かの苦悩や罪悪感の重さについて考えたいとき
ごんは、うなぎのつぐないに、まず一つ、いわしを盗んで来て、兵十の家の裏口から、内へ投げ込みました。
新美南吉ごんぎつね」(1932)
優しさ、不器用さ誰かに謝りたいけど、直接言えないとき
けれどもほんとうのさいわいは 一体何だろう
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
問い大切なものを失ったとき
さあさあおなかにおはいりください。
宮沢賢治山越え」(1921)
恐怖逃げ場がないことを悟ったとき
こう云う風に、幾晩となく母が気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父は、とくの昔に浪士のために殺されていたのである。
夏目漱石夢十夜」(1908)
悲しみ絶望を知りたいとき、無意味な努力について考えるとき
哲学は現実の中から生れる。そしてそこが哲学の元来の出発点であり、哲学は現実から出立するのである。
三木清哲学入門」(1940)
力強さ哲学って何?と思ったとき
問題の大小をも弁(わきま)えず、その力を用いるところ当(とう)を失えりという人あらば如何(いかん)。
柳田国男遠野物語」(1910)
孤独自分の未熟さを自覚しているのに行動せざるを得ないとき
病気だ。病気なんだよ。以前はあれほどでもなかったんだが、だんだん悪くなりやがった
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
無力感、絶望自分や周囲の人間の劣化を認めるしかないとき
私は丁度あの「やどかり」でございました。貝殻の代りに、椅子という隠家を持ち、海岸ではなくて、ホテルの中を、我物顔に、のさばり歩くのでございます。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
快感、自由、狂気自分の行動を客観視したいとき、または倫理観と欲望の葛藤に苦しむとき