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せねば、饑死をするのじゃて、 仕方がなくした事であろ。
芥川龍之介「羅生門」
背景解説
死体から髪を抜いて鬘を作る老婆の言い分。「生きるためなら仕方ない」。この論理、実はものすごく危険で、でも同時にものすごく人間的。老婆の言葉を聞いた下人の心が、ここで大きく動く。善悪の基準なんて、状況次第で簡単にひっくり返るということ。
この言葉が、下人の「最後の一線」を壊した。
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下人の行方は、誰も知らない。
芥川龍之介
選んでいれば、築土の下か、 道ばたの土の上で、 饑死をするばかりである。
芥川龍之介
下人の心には、 ある勇気が生まれて来た。
芥川龍之介
では、己が引剥をしようと 恨むまいな。 己もそうしなければ、 饑死をする体なのだ。
芥川龍之介
外には、ただ、 黒洞々たる夜が あるばかりである。
芥川龍之介
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