ドグラ・マグラ
夢野久作1935年)
小説13453,621ミステリー怪奇・幻想
あらすじ — 狂気と理性の迷宮へようこそ
記憶を完全に失った男が病院らしき施設の独房で目覚めるところから物語は始まる。自分の名前も過去も思い出せない主人公の前に、隣室から若い女の痛切な呼びかけが響く。女は自分を彼の許嫁だと名乗り、結婚式前夜に彼の手にかかって死に、生き返ったのだと告白する。 精神科医・正木博士の奇怪な理論と実験が明かされていく中で、主人公は自分が「呉一郎」という青年で、恋人「モヨコ」を殺害した疑いで入院していることを知る。しかし真相は複雑に入り組んでいる。正木博士は遺伝的精神異常と胎児の記憶について研究しており、一郎の家系には代々狂気の血が流れているという。 物語は現実と幻想、記憶と妄想が混沌と入り乱れながら進行する。古文書「ドグラ・マグラ」や狂人の手記、学術論文などが錯綜し、読者も主人公と共に迷宮に迷い込む。一郎の母親の狂気、父親の正体、そしてモヨコとの関係の真実が次第に浮かび上がってくるが、それらすべてが疑わしく、何が現実なのかわからなくなる。 最終的に一郎は退院するが、すべての記憶を失ったまま病院を後にする。真相は闇に包まれ、読者には強烈な混乱と戦慄だけが残される。
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