春宮の元服後、帝は譲位を決意し、源氏の子である新帝が即位する。源氏は内大臣となり、政界での地位を確立していく。一方、明石の君が女の子を出産したとの知らせが届き、源氏は深い喜びを感じる。かつて相人に「三人の子に恵まれ、そのうち帝と后が生まれる」と予言されていたことを思い出し、この姫君こそ将来の后になる運命の子と確信する。
源氏は明石の姫君のために京の乳母を手配し、自ら面会して田舎へ送り出す。明石では入道が孫の誕生を心から喜び、源氏の配慮に感激する。明石の君からは感謝の歌が送られてくるが、産後の体調は優れない。
紫の上には明石での出産について率直に話し、将来この姫君を京に迎えたいと告白する。紫の上は複雑な心境を抱きながらも、源氏の真意を理解しようと努める。物語は源氏の栄華の絶頂期と、新たな愛の形を描きながら、運命に導かれた人々の心の機微を繊細に描写していく。