住吉の神が導いてくださるのについて、早くこの浦を去ってしまうがよい。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
飴だまは一つしかないので、お母さんは困ってしまいました。
新美南吉飴だま」(1943)
笑ってくれ。詩人になりそこなって虎になった哀れな男を。
中島敦山月記」(1942)
私は依然として未知の世界にいる未知の私であった。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
あいつはいつも歪んだ顔をして、窓のそばに突っ立っている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
二年の後には、激しく往復する踏み木が睫毛(まつげ)をかすめても、絶えて瞬くことがなくなった。
中島敦名人伝」(1942)
幸福を語ることがすでに何か不道徳なことであるかのように感じられるほど今の世の中は不幸に満ちているのではあるまいか。
三木清人生論ノート」(1941)
そりゃもう、僕にくらべたら、どんな男でも、あほらしく見えるんだからね。
太宰治」(1947)
そう考えるとたまらないほど、自分もカムパネルラも哀れなような気がするのでした。
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
二十一年の大誓願、端なくも今宵成就いたした
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
万というからには何事でも、口入れをするのが本当です。
芥川龍之介仙人」(1922)
こうして変わらない愛をかける源氏に真心から信頼している様子に同情がされた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)