女は、自分の運命を決するのに、微笑一つでたくさんなのだ。
太宰治女生徒」(1939)
「いき」は媚態でありながらなお異性に対して一種の反抗を示す強味をもった意識である。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
「もうからかうのはいい加減にしてくれ!何でもお前の言うことは聞く!」
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
人間というのは卑劣なもので、なんにでも慣れてしまうものだ
ドストエフスキー罪と罰」(0)
自分が消えてしまわなければならないのだという彼の考えは、おそらく妹の意見よりももっと決定的なものだった。
フランツ・カフカ変身」(0)
自分の気持ちをほのめかしてだけでも言うことのできる母というものを玉鬘は持っていなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)
生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道があり得るだろうか。
坂口安吾堕落論」(1947)
犀でもなく虎でもなく、あの荒れ野をさまよっている。
下村湖人論語物語」(1938)
本当に人間はいいものかしら。本当に人間はいいものかしら
新美南吉でんでんむしのかなしみ」(1935)
娘は、赤いろうそくを、自分の悲しい思い出の記念に、二、三本残していったのです。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
ええ。これまでじゃ。奥様、ご免下さいまし
森鷗外高瀬舟」(1916)
住吉の神が導いてくださるのについて、早くこの浦を去ってしまうがよい。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。
新美南吉ごんぎつね」(1932)
これが私たち親子が神さまからいただいた短い休息の期間であったとしても
太宰治斜陽」(1947)
私は、お前方から指一本指される身じゃあない。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
これ、壮二君のおもちゃにあげてください。ぼくは人殺しなんてしませんよ。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)