上手なはずだ。人間ではない、人魚が描いたのだもの。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
目に見えているものが、いっとう神秘である。
中井正一美学入門」(1941)
真の懐疑家はソフィストではなくてソクラテスであった。
三木清人生論ノート」(1941)
自分には、人間の生活というものがよくわからないのです。
太宰治人間失格」(1948)
もうあとへは退けない気になっていて、再び情火を胸に燃やしながら心をこめた手紙を続いて送っていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(20 朝顔)」(1914)
俺はお前を本当の美しい女にするために、刺青の中へ俺の魂を打ち込んだのだ。
谷崎潤一郎刺青」(1910)
これでよしと。でも、うまくいくかしら。万一、賊がこいつに足くびをはさまれて、動けなくなったら、さぞ楽しいだろうなあ。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
自分の気持ちをほのめかしてだけでも言うことのできる母というものを玉鬘は持っていなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)
猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりだ。
萩原朔太郎猫町」(1935)
自分の体もまた一つの大自然であり、山あり川あり、無限の喜びと悲しみを持っている大きな天地ではないだろうか。
中井正一美学入門」(1941)
すべての人間が神の前においては平等であることを知らない者の人間の世界において平均化を求める傾向である。
三木清人生論ノート」(1941)
二十一年の大誓願、端なくも今宵成就いたした
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
お前と首と、どっちか一つを選ばなければならないなら、私は首を諦めるよ
坂口安吾桜の森の満開の下」(1947)