なんという、さびしい景色だろうと、人魚は思いました。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
男は化粧した女のような白い顔をしているものではないのに、若い玉鬘の心はそれを軽蔑した。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより、世の中を少しなりともよくして行こうではないか
内村鑑三後世への最大遺物」(1897)
私はもうこの世にはいないでしょう。とっくに死んでいるでしょう。
夏目漱石こころ」(1914)
人が自分を知ってくれないということは少しも心配なことではない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
あきれるとともにくやしくてならない心になったが、人違いだとも言えず困った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(03 空蝉)」(1914)
自分が得なかった場合にはこのすぐれた人は他人の妻になっているのだと、こんなことを想像する瞬間でさえ胸がとどろいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
あの蠟燭が尽きないうちに私が眠るか、またはコップ一杯の酔いが覚めてしまうか、どちらかでないと、キクちゃんが、あぶない。
太宰治」(1947)
河童は我々人間が河童のことを知っているよりも遥かに人間のことを知っています。
芥川龍之介河童」(0)
時には風の音や鶴の鳴き声にも驚きました
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
私だって昔は浅草の父の屋台で、客あしらいは決して下手ではなかったのだから。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
命があればこそこんなことを見聞きするのだ、前に死んだ同志の友人が気の毒だ
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
洪水のようにあふれて来たこの勢いを今は何者もはばみ止めることができない
島崎藤村破戒」(1906)
でも、あなたは、あなたは、私を知りますまい!
泉鏡花外科室」(1895)
私は、お前方から指一本指される身じゃあない。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
東と西が出会い、互いに慰め合うことができるのだろう。
岡倉天心茶の本」(1906)