心にもない歎息をしながら、着がえをして、なお小さい火入れを袖の中へ入れて香をしめていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
切なさ罪悪感を感じながらも欲望に従うとき
文学を専門的にまでやる人で長寿と幸福を二つとも揃って得ている人は少ない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
無常才能と幸福について考えるとき
私自身は、ナオミに惚れているのですから、どう思われても仕方がありません
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
開き直り全てを受け入れたとき
ザネリはもう帰ったよ。お父さんが迎えに来たんだ
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
哀愁友達の本心がわからないとき
教師というものは実に楽なものだ。人間と生まれたら教師となるに限る。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
羨望職業を考えるとき
いくかへり行きかふ秋を過ごしつつ浮き木に乗りてわれ帰るらん
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(18 松風)」(1914)
無常人生の流転を感じているとき
僕は度々自殺しようとした。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
絶望死への願望を告白するとき
まったく美しいものを美しいままで終わらせたいなどと願うことは小さな人情で、私は二十の美女を好む。
坂口安吾堕落論」(1947)
皮肉きれいごとに疲れて現実を直視したくなったとき
そしたら、母ちゃんは、びっこを引いてゆっくり行きましょう
新美南吉」(1943)
慈愛無条件の愛を感じたいとき
失敗をこわがる人は科学者にはなれない。
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
覚悟挑戦を迷っているとき
神に問う。信頼は罪なりや。
太宰治人間失格」(1948)
絶望信じていた人に裏切られたとき
永遠の驚きをもって自然をのぞいている。
森鷗外最後の一句」(1915)
畏怖世界の美しさに圧倒されたとき
すべてのことは昔より悪くなっていく末世でも、仮名の字だけは近頃の方がよくなった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(32 梅が枝)」(1914)
希望時代の変化に悲観的になったとき
この世はこんな不公平なものなのかと思って末摘花は恨めしく苦しく切なく一人で泣いてばかりいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(15 蓬生)」(1914)
絶望世の中の理不尽に打ちのめされているとき
しかしそう考えた私はついに一種の淋しさを脱却する訳に行かなかったのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
哀愁信念を貫くことの孤独を感じるとき
末遠き二葉の松に引き分かれいつか木高きかげを見るべき
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(19 薄雲)」(1914)
哀愁愛する子どもを手放さなければならないとき
青白い番兵は気にかかる。
宮沢賢治やまなし」(1923)
好奇心正体不明のものに出会ったとき
全気で死ねば、すなわち尸解の仙なのである。
幸田露伴努力論」(1912)
超越人生をかけて取り組むべきことを見つけたとき
自分の幸福のために自分の個性を発展していくと同時に、その自由を他にも与えなければすまない事だと私は信じて疑わないのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
慈愛真の自由について考えるとき
もし、僕が、本当に狐になっちゃったらどうする?
新美南吉」(1943)
不安自分の存在について深く悩んだとき