ただ生死の別れだけが私たちを引き離すものだと思います。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
自分には、人間の生活というものがよくわからないのです。
太宰治人間失格」(1948)
半身は砂のなかにうもれていて、それで居てべろべろ舌を出している。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
皆源氏の君と恋する心がもたらした罪だ、その人への愛を今自分は根底から捨てなければならない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(09 葵)」(1914)
さっき一度紙くずのようになった二人の顔だけは、もう元の通りに治りませんでした。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
私の手は空っぽである。何も私は持っていない。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
母ちゃん、お星さまは、あんな低いところにも落ちてるのねえ
新美南吉手袋を買いに」(1943)
河童の国は当時の僕には故郷のように感ぜられましたから。
芥川龍之介河童」(0)
わたし雷さまより光るのがいやなの。
永井荷風濹東綺譚」(1937)
自分が消えてしまわなければならないのだという彼の考えは、おそらく妹の意見よりももっと決定的なものだった。
フランツ・カフカ変身」(0)
組織のないテロリズムは、最も悪質の犯罪である。
太宰治黄金風景」(1939)
あなたは死という事実をまだ真面目に考えたことがありませんね。
夏目漱石こころ」(1914)
この、お乳とお乳のあいだに、……涙の谷、……
太宰治魚服記」(1933)
私たちの喪服はこの月で脱ぐはずですが、暦で調べますと月末はいい日でありませんから延びることになりますね。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)