富を得ていながら、欠けた事を思うほど、苦しい事は世間にない。
ゲーテファウスト」(1808)
ゼラール中尉には、不思議なことに友人が一人もできなかったのである。
菊池寛」(1920)
狐に化かされるという状態は、つまり心理学者のいう三半規管の疾病であるのだろう。
萩原朔太郎猫町」(1935)
私は、人間が嫌いです。いいえ、こわいのです。
太宰治待つ」(1942)
コケモモの真の味が知りたかったら牛童かシャコに聞くがよい。
ソロー森の生活」(1854)
いや、賊自身でも、ほんとうの顔を忘れてしまっているのかもしれません。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
よごれたる手をみる――ちゃうどこの頃の自分の心に対うがごとし。
石川啄木悲しき玩具」(0)
僕ハ彼女ヲ酔イツブシテ寝カシテシマオウトイウ底意モアッタガ、ドウシテ彼女ハソノ手ニハ乗ラナイ。
谷崎潤一郎」(1956)
半身は砂のなかにうもれていて、それで居てべろべろ舌を出している。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
のたれ死するには家うちは要らんからのう……
菊池寛父帰る」(1917)
けれども、誰だって、本当にいいことをしたら、一番幸せなんだね。
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
私にもそうらしく思われて来ました。逃げて都へも行かれます。
森鷗外高瀬舟」(1916)
目に見えているものが、いっとう神秘である。
中井正一美学入門」(1941)
あなたが生んだという賢一郎は二十年も前に築港で死んでいる。
菊池寛父帰る」(1917)
金が足りぬ。良いわ。金をこしらえい
ゲーテファウスト」(1808)