男には、不幸だけがあるんです。いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
あちこちから鎖が絡まっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
太宰治魚服記」(1933)
安寿恋しや、ほうやれほ。厨子王恋しや、ほうやれほ。
森鷗外高瀬舟」(1916)
これは、こっちの方が人気があるわい。
横光利一」(1923)
一度でも我に頭を下げさせし人みな死ねといのりてしこと
石川啄木一握の砂」(1910)
おれは食欲があるが、あんなものはいやだ。
フランツ・カフカ変身」(0)
このままの姿では、とても何千里となく遠い国へ帰ることはできません。
小川未明赤い船」(1922)
福を惜しむ人が必ずしも福に遭うとは限るまいが、何様も惜福の工夫と福との間には関係の除き去るべからざるものがある。
幸田露伴努力論」(1912)
生きていればいいたい事はいいたいもので、毎日見るものは新聞雑誌に限っていれど、それさえ読めないで苦しんでいる時も多い。
正岡子規病床六尺」(1902)