人間というものは角の生えない、青白い顔や手足をした、何ともいえず気味の悪いものだよ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。
フランツ・カフカ変身」(0)
「いき」は「浮かみもやらぬ、流れのうき身」という「苦界」にその起原をもっている。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
一刻も早く自分の過去から逃れたかった。彼は、自分自身からさえも、逃れたかった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
わしは人の野宿をしそうな森の中や橋の下を尋ね回って、これまで大勢の人を連れて帰った。
森鷗外高瀬舟」(1916)
女は、自分の運命を決するのに、微笑一つでたくさんなのだ。
太宰治女生徒」(1939)
真上からたたきのめされて、下の漁夫の首が胸の中に、杭(くい)のように入り込んでしまった。
小林多喜二蟹工船」(1929)
一軒の山家の前へ来たのには、さまで難儀は感じなかった。
泉鏡花高野聖」(1900)
私は仙人になりたいのだから、そういう所へ住み込ませてください。
芥川龍之介仙人」(1922)
私の出費は一年間でたった二十七ドル、四分の一セントだった。
ソロー森の生活」(1854)
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば訪はじとや思ふ
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)