この宮とだけは最も親密な交際ができたのだが、恋愛問題については話されたことがなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(24 胡蝶)」(1914)
そのとたん、私たちは同時に「アッ」と声を立てた。明るくなった部屋の片隅には、女の死骸が横たわっているのだ。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
私、豊太郎、お前はここまで俺をだましたのか。
森鷗外舞姫」(1890)
それよりもむしろ、自分で鼻を気にしているということを、人に知られるのが嫌だったからである。
芥川龍之介」(1916)
まるで蚕に食われている桑の葉のように、俺たちの身体が殺されているんだ
小林多喜二蟹工船」(1929)
私は議論をして、勝ったためしがない。
太宰治魚服記」(1933)
一度でも我に頭を下げさせし人みな死ねといのりてしこと
石川啄木一握の砂」(1910)
大衆は静かな絶望の生活を送っている
ソロー森の生活」(1854)
しかし東京ないし大阪のようになるということは、必ずしもこれらの都市が踏んだと同一な発達の道筋によるということではない。
芥川龍之介魔術」(1920)
そういうお前であるのなら、私はお前がもっともっと好きになるだろう。
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
あの白熊のような犬が二匹、扉を突き破って室の中に飛び込んできました。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
足あり、仁王の足の如し。足あり、他人の足の如し。
正岡子規病床六尺」(1902)
歴史は繰り返してはならないものだと思っている。
太宰治黄金風景」(1939)
空っぽの記憶の中に、空っぽの私が生きている。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)