おれは今、やつらの悪霊に招きよせられて、黄泉の国の闇をさまよっているのではないかしら。
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
これならば完全だ、欠点がないという女は少ないものだと私は今やっと気がつきました。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(02 帚木)」(1914)
年寄の女に向って年齢のことを気遣うのなども、もう皮肉に気持ちがこずんで来た証拠だね
岡本かの子老妓抄」(1938)
空っぽの記憶の中に、空っぽの私が生きている。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
そんなことをしてはたいへんよ。世間体もあります。私が生きている間は邸を人手に渡すなどということはできるものではない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(15 蓬生)」(1914)
回という人間は決して馬鹿ではないのだ。
下村湖人現代訳論語」(1949)
私は私自身さえ信用していないのです。
夏目漱石こころ」(1914)
僕の魂のアフリカはどこまでもぼうぼうと広がっている。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
もう少しで双方がぴったりと出合って一つに収まるというところで、時の流れが急に向きを変えて永久の中に注いでしまう
夏目漱石三四郎」(1908)
こんなおいしいご飯を食べたことはないと思うほどだった。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
この馬鹿野郎と怒鳴った。この主人は人を罵るときは必ず馬鹿野郎というのが癖である。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
この上にいっそう苦痛を加えるだけだと思って、御息所はしいて冷ややかになっているのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(10 榊)」(1914)
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば訪はじとや思ふ
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
自分で自分の馬鹿を承知しているほど尊く見えることはない。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
なぜ女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついてお心を悩ます結果を作ったのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
自分は可憐な人を発見することができた。そこで意外な収穫を得るのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(05 若紫)」(1914)