富を得ていながら、欠けた事を思うほど、苦しい事は世間にない。
ゲーテファウスト」(1808)
この馬鹿野郎と怒鳴った。この主人は人を罵るときは必ず馬鹿野郎というのが癖である。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
彼女ハコレマデ決シテ必要以外ノ部分ヲ見タリ触レタリシタコトガナカッタノダ。
谷崎潤一郎」(1956)
私はだれよりもあなたが好きなのだから、あなたのことばかりがこんな時にも思われる。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(14 澪標)」(1914)
ひょっとしたら、私は大変みだらな女なのかもしれない。
太宰治待つ」(1942)
私のために門閥制度は親の敵でございる。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
狂つた智恵子は口をきかない ただ尾長や千鳥と相図する
高村光太郎智恵子抄」(1941)
ああ、そのときのお前の顔色の、そしてその唇の色までも、なんと蒼ざめていたことったら!
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
絶好のチャンスですぜ。猟奇的ですぜ。檀那。
永井荷風濹東綺譚」(1937)
私にもそうらしく思われて来ました。逃げて都へも行かれます。
森鷗外高瀬舟」(1916)
親がどんなものであるか、親に対する気持ちはどんなものであるか私にはわかってないのでございます
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(24 胡蝶)」(1914)
河童の国は当時の僕には故郷のように感ぜられましたから。
芥川龍之介河童」(0)
住吉の神が導いてくださるのについて、早くこの浦を去ってしまうがよい。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
いかなる小事にあたっても、なにかことをなすときは、ちょっと退いて考えたい。
新渡戸稲造自警録」(1916)
自然はやはり、その恋人にのみ真心を打ち明けるものである。
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
ああ、真の美の人を動かすことはあのとおりさ。
泉鏡花外科室」(1895)