何のことはない、四畳半の座敷が書物で埋まっているのだ。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
ザネリはもう帰ったよ。お父さんが迎えに来たんだ
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
私の出費は一年間でたった二十七ドル、四分の一セントだった。
ソロー森の生活」(1854)
僕はかわいい顔はしていたかも知れないが体も心も弱い子でした。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
武蔵野の美といった、美というよりむしろ詩趣といいたい、そのほうが適切と思われる。
国木田独歩武蔵野」(1898)
俺は世の中を駆けて通った。そしてあらゆる歓楽を、髪を掴んで引き寄せるようにした。
ゲーテファウスト」(1808)
こんな所に誰が居るものか、一度出たらば鉄砲玉で、再び帰ってこはしないぞ。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
足あり、仁王の足の如し。足あり、他人の足の如し。
正岡子規病床六尺」(1902)
こうした不用心な時に男も女も間違った運命へ踏み込むものだと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
私は黙って俯向うつむいていた。何を言っても駄目だ。何も言うまいと心で誓った。
室生犀星幼年時代」(1919)
一軒の山家の前へ来たのには、さまで難儀は感じなかった。
泉鏡花高野聖」(1900)
この世界に、論理の通らない世界のあること。
中井正一美学入門」(1941)
音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。
フランツ・カフカ変身」(0)
西洋料理を、来た人に食べさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家ということなんだ。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
現実の世界が全く身に合わなく思われてくる。
梶井基次郎Kの昇天」(1926)
俺に父親てておやがあるとしたら、それは俺の敵かたきじゃ。
菊池寛父帰る」(1917)
猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりだ。
萩原朔太郎猫町」(1935)
虫が知らすとでも言うのか、何だかこう、傍見をしているすきに何か起きそうで、どうも外へ目を向けられなかった
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)