毛をもって装飾されるべき顔がつるつるしてまるでやかんのようだ。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
宮沢賢治農民芸術概論綱要」(1926)
一刻も早く自分の過去から逃れたかった。彼は、自分自身からさえも、逃れたかった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
愛されたい願いが善い願いならば事実として愛されなくとも、死ぬまで依然として愛されたいと願うべきである。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
どうも鬼というものの執念の深いのには困ったものだ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。
フランツ・カフカ変身」(0)
人よりはすぐれた風采のこの公子も、源氏のそばで見ては桜に隣った深山の木というより言い方がない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(07 紅葉賀)」(1914)
人間の住居というよりも、むしろ何かの巣といった方が、よほど適当している。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
真に自己に内在的なものは超越的なものによって媒介されたものでなければならない。
三木清哲学入門」(1940)
あなたが生んだという賢一郎は二十年も前に築港で死んでいる。
菊池寛父帰る」(1917)
私が疑うということから私は有るということが帰結する。
デカルト省察」(1641)
「私、なぜだか、ああしたかったんですもの」
夏目漱石三四郎」(1908)
俺は総領で家督をしているが、どうかして難しい家の養子になってみたい。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)