もどる
あれは薬を使うのではない、法の力でもない、ただ膚の美しさに因って人間が畜生になるのだ。
泉鏡花「高野聖」
背景解説
美女に魅入られた男たちが動物に変えられてしまう。でもそれは魔法でも毒でもない。ただ「肌の美しさ」だけで人間が獣になる。つまり、人間の欲望そのものが化け物なんだよね。泉鏡花は「美」と「獣性」が表裏一体であることを、残酷なまでに描き出す。
美しさが人を獣に変える。それは魔法じゃない。
あらすじを見てみる →
本文を読む →
『高野聖』の他のひとふみ
参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、余りの道の険しさに、つい手が出た。
泉鏡花
蛭(ひる)が降るのです。木の枝から、雨のように蛭が降って来る。
泉鏡花
女は笑いながら、白い手をのべて、その蛇を掴んでひょいと投げた。
泉鏡花
谷川のせせらぎに交って、何とも知れぬ獣の声が遠く聞えた。
泉鏡花
女の肌は月の光のように白く、水は黒曜石のようであった。
泉鏡花
私はその時一心に称名を唱えておりましたから。
泉鏡花
旅僧が一人、汽車の中で私に話した事を、ここにそのまま書く。
泉鏡花
あの婦人は、今でも、あの山の中に、独り住んでいるのでございましょうか。
泉鏡花
日が暮れかけると、あたりの木立の中から、何やらむくむくと動くものが、幾つともなく這い出して来た。
泉鏡花
← ホームに戻る