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「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。」
新美南吉「ごんぎつね」(1932)
悲しみ、後悔、衝撃
真実を知ったのが遅すぎたとき
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しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。
宮沢賢治「山越え」(1921)
恐怖, 喪失感
極限状況から生き残ったとき
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私はこんな風(ふう)にして生きて来たのです。始めてあなたに鎌倉(かまくら)で会った時も、あなたといっしょに郊外を散歩した時も、私の気分に大した変りはなかったのです。私の後ろにはいつでも黒い影が括(く)ッ付(つ)いていました。
夏目漱石「こころ」(1914)
孤独, 絶望
自分の人生が変わらない苦しみを感じたとき、誰かとの関係が表面的に見えるとき
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お客さまがた、ここで髪をきちんとして、 それからはきものの泥を落してください。
宮沢賢治「注文の多い料理店」(1924)
好奇心
丁寧すぎるサービスに違和感を覚えたとき
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北海道では、字義通り、どの鉄道の枕木もそれはそのまま一本々々労働者の青むくれた「死骸」だった。
小林多喜二「蟹工船」(1929)
怒り, 絶望
労働搾取の現実を目の当たりにしたとき
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「ナオミを『偉くすること』と、『人形のように珍重すること』と、この二つが果して両立するものかどうか?―――今から思うと馬鹿げた話ですけれど、彼女の愛に惑溺して眼が眩んでいた私には、そんな見易い道理さえが全く分らなかったのです。」
谷崎潤一郎「痴人の愛」(1924)
後悔、自己欺瞞への気づき、絶望
自分の矛盾した願いに気づき、それが実現不可能だったことを認識するとき
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「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己(おれ)のものだぞ。お前たちは一体誰に尋(き)いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」
芥川龍之介「蜘蛛の糸」(1918)
怒り、恐怖、利己心
せっかく手にした希望を失いたくないとき、他者との競争に追い詰められるとき
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桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。
坂口安吾「桜の森の満開の下」(1947)
不穏、挑発
常識を疑いたくなったとき
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されば武蔵野の美にして、 一日だも変化のない日はなかった。
国木田独歩「武蔵野」(1898)
発見
毎日の変化に気づきたいとき
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我豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか
森鷗外「舞姫」(1890)
怒り、絶望
信頼していた者に裏切られたことに気づいたとき
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「お母さん。」と一声叫んだと思うと、杜子春の体はもう何時の間にか、元の洛陽の西の門の下に、夕日を浴びて、ぼんやり佇んでいたのです。
芥川龍之介「杜子春」(1920)
愛、解放
理屈を超えた感情が溢れ出す瞬間
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どうせぼくらには、骨も分けて呉(く)れやしないんだ。
宮沢賢治「山越え」(1921)
絶望, 諦観, 怒り
自分たちの無力さを痛感したとき
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こんな、うじ虫の様な生活を、続けて行く位なら、いっそのこと、死んで了った方が増しだ
江戸川乱歩「人間椅子」(1925)
怒り、絶望、決意
自分の無価値さに直面し、人生を諦めかけたとき
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書物にあることは前述のごとく抽象的であるから、未熟の頭脳には入りにくい。たまたま入れば自分を省みるより他人を責むる道具となる。
新渡戸稲造「自警録」(1916)
ドキッ
本を読んで賢くなった気になっているとき
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からだに塩をたくさんよくもみ込んでください。
宮沢賢治「注文の多い料理店」(1924)
恐怖
ようやく異変に気づいたとき
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吾輩は人間と同居して彼等を観察すればするほど、彼等は我儘(わがまま)なものだと断言せざるを得ないようになった。
夏目漱石「吾輩は猫である」(1905)
怒り、諦観
人間の身勝手さに気づいたとき
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有体(ありてい)なる己(おの)れを忘れ尽(つく)して純客観に眼をつくる時、始めてわれは画中の人物として、自然の景物と美しき調和を保(たも)つ。
夏目漱石「草枕」(1906)
悟り、切なさ
理想と現実のギャップに直面したとき
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学問するには、その志を高遠にせざるべからず。飯を炊き、風呂の火を焚くも学問なり。天下の事を論ずるもまた学問なり。されども一家の世帯は易くして、天下の経済は難し。
福沢諭吉「学問のすすめ」(1872)
決意
学問の道を志すとき、自分の人生の目標について考えるとき
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小事、小事が大事だ! こういう小事が、往々万事を打ちこわすのだ……
ドストエフスキー「罪と罰」(0)
決意
計画遂行への不安が押し寄せたとき
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おのれに存する偉大なるものの小を感ずることのできない人は、他人に存する小なるものの偉大を見のがしがちである。
岡倉天心「茶の本」(1906)
ハッとする
他人を見下してしまいそうなとき
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