なぜこうまで立派なことばかりのできる女だろうと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(19 薄雲)」(1914)
侍はそれを舟のへりに乗せ、刀でぱちんと二つに割りました。
新美南吉飴だま」(1943)
私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために走っているのだ。
太宰治走れメロス」(1940)
妾は盲人なれども鼻は確たしかなり、々そうそうに去って含嗽をせよ
谷崎潤一郎春琴抄」(1933)
何という美しい、何というおっとりした声なんでしょう。
新美南吉手袋を買いに」(1943)
そりゃもう、僕にくらべたら、どんな男でも、あほらしく見えるんだからね。
太宰治」(1947)
すべての人間が神の前においては平等であることを知らない者の人間の世界において平均化を求める傾向である。
三木清人生論ノート」(1941)
僕はかわいい顔はしていたかも知れないが体も心も弱い子でした。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
「いき」は媚態でありながらなお異性に対して一種の反抗を示す強味をもった意識である。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
こうなれば、もう誰も笑う者はないに違いない。
芥川龍之介」(1916)
自分の体もまた一つの大自然であり、山あり川あり、無限の喜びと悲しみを持っている大きな天地ではないだろうか。
中井正一美学入門」(1941)
自然はやはり、その恋人にのみ真心を打ち明けるものである。
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)