なぜこうまで立派なことばかりのできる女だろうと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(19 薄雲)」(1914)
驚き愛する人の才能に改めて感動するとき
私自身は、ナオミに惚れているのですから、どう思われても仕方がありません
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
開き直り全てを受け入れたとき
泡と見る淡路の島のあはれさへ残るくまなく澄める夜の月
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
哀愁美しい景色を見ても心が満たされないとき
真っ白い手の平に紫色の葡萄の粒が重なって乗っていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことができます。
有島武郎小さき者へ」(1918)
郷愁過去の美しい記憶を大切に思い出すとき
寸善尺魔、とは、まったく本当のことでございますね。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
哀愁少しの幸せに大きな災いが付きまとうことを実感したとき
籠や鎌は捨てておいて、子だけ持って行くのだよ
森鷗外高瀬舟」(1916)
決意愛する人のために自分を犠牲にする決断をしたとき
そして私は姫君の顔を見ないでいるのだね
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(18 松風)」(1914)
切なさ愛する人との別れを前にしているとき
内供は人を見ずに、ただ、鼻を見た。
芥川龍之介」(1916)
孤独自分と同じ悩みを抱える人を必死に探しているとき
われらに罪を犯すものをわが赦すごとくわれらをも赦したまえ
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
慈愛人間関係で傷つけあった後、和解を求めるとき
内供はなまじっか鼻が短くなったのが、かえって恨めしくなった。
芥川龍之介」(1916)
後悔望んでいた変化を手に入れたのに幸せになれないとき
私は、人間が嫌いです。いいえ、こわいのです。
太宰治待つ」(1942)
恐怖人との関係に悩んでいるとき
そう考えるとたまらないほど、自分もカムパネルラも哀れなような気がするのでした。
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
孤独勉強についていけず、周りから取り残されたとき
私は丁度あの「やどかり」でございました。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
皮肉自分の生き方を客観視するとき
あちこちから鎖が絡まっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
太宰治魚服記」(1933)
絶望身動きが取れない状況に追い詰められたとき
もうあとへは退けない気になっていて、再び情火を胸に燃やしながら心をこめた手紙を続いて送っていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(20 朝顔)」(1914)
執着恋が叶わない相手への想いが抑えられないとき
指導者は全部、無学であった。常識のレベルにさえ達していなかった。
太宰治黄金風景」(1939)
軽蔑無能な権力者の発言を聞いたとき
泥棒がつけたのらしいということが分かった。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
安堵原因不明の災いの理由がわかったとき
どこがそんなに自分を惹きつけるのだろうと不思議でならなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(04 夕顔)」(1914)
孤独愛されているはずなのに相手の本心がわからず不安なとき
何が駄目なんだか今でも分からない。
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
困惑理不尽な扱いを受けたとき
この糸にすがりついて、どこまでも登って行けば、きっと地獄から抜け出せるに違いありません。
芥川龍之介蜘蛛の糸」(1918)
希望絶望の淵で一筋の光を見出したとき